オムロングループは、企業理念に基づき、事業を通じて社会的課題の解決や人々の生活の向上に貢献することで、企業価値の向上を目指しています。
環境面に関しては、地球環境に貢献する製品・サービスを提供するとともに、地球環境に配慮した事業活動を行っています。
社長を議長とする執行会議で、環境目標を含んだサステナビリティ目標全体の年度報告を行うとともに、環境に関するグループ共通の施策や制度の新規導入・変更などの報告・審議・決定を行い、重要事項は取締役会に報告しています。また、報告を受けた取締役会がサステナビリティ目標・施策の達成状況を監視・監督しています。
2021年度より、環境取り組みに対する経営層の責任を明確にするため、社内取締役および執行役員の中長期業績連動報酬(株式報酬)評価指標の一部に、温室効果ガス排出量の削減目標および第三者機関によるサステナビリティ指標(Dow Jones Sustainability Indices)を採用しています。
また、環境の取り組みを含むサステナビリティガバナンスを一層強化することを目的とし、2023年度より環境担当の取締役およびサステナビリティ担当役員を設置するとともに、サステナビリティ担当役員を委員長とする「サステナビリティ推進委員会(原則 四半期に一度開催)」を設置し、グループ共通の環境施策や環境法規制への対応などを審議しています。
さらに、事業拠点での環境マネジメントの強化を目的とし、本社環境管理部門および各ビジネスカンパニーの環境担当部門で構成される「グループ環境委員会(原則 四半期に一度開催)」を設置し、事業拠点の環境目標の設定や施策の計画について議論し、その実績を報告しています。各事業拠点の環境に関する取り組みや課題を共有し、最適な施策を検討することで、グループ全体の環境経営のレベルアップを図っています。
製品・サービスをはじめとするグループ全体の環境施策の加速を目的とし、本社機能部門および各事業部門のメンバーで構成される「環境プロジェクト」を発足させ、オムロングループへの影響が大きい環境課題の特定や施策の検討・効果測定などを行いながら、環境経営の推進を図っています。
LCAやCFPなどの個別テーマについては、専門的な知識や経験を有するメンバーから成るワーキンググループにて具体的な施策を進めています。
環境目標のPDCA、環境パフォーマンスの向上、汚染の予防、環境関連法令の順守徹底を図るために環境マネジメント体制(EMS)が最適であると考え、ISO14001認証取得を進めます。
オムロングループの生産拠点はISO14001を取得することをオムロングループルールで定めています。なおM&Aや新設により加わった生産拠点は3年以内の取得を目指します。
2023年度は、生産拠点の全24拠点が対象であり、全てISO14001認証を継続しました。(取得率:100%)
今後もISO14001認証を継続していきます。
拠点区分 | 内訳 | 取得率 | ||
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日本 | 海外 | |||
生産拠点 | 24拠点 | 11拠点 | 13拠点 | 100% |
非生産拠点 | 32拠点 | 30拠点 | 2拠点 | - |
合計 | 56拠点 | 41拠点 | 15拠点 | - |
(2024年3月末時点)
オムロンは、環境評価制度を通じて、環境面の非財務インパクトと財務インパクトのコネクティビティを強化します。この制度は、EUタクソノミーに基づく環境影響とライフサイクルからなる環境評価軸に基づき、製品の設計・開発段階からネガティブな環境インパクトを最小限に抑える取り組みを行います。また、ライフサイクルアセスメント(LCA)を通じて、製品のポジティブな環境インパクトを特定し、環境課題の解決と事業の持続的成長に貢献します。
当社の製品やサービスを通じて顧客の環境課題の解決に貢献できる製品を指します。高い環境性能を持つ製品を対象に、製品の付加価値を信頼性と透明性を高め可視化するためLCAを活用しています。
製品のライフサイクルにおいて環境に与えるネガティブインパクト・対応すべき重要課題について軽減や緩和策を講じている製品を指します。環境配慮製品は、製品の企画・設計段階から実施する製品環境アセスメントを合格した製品が対象となります。そのため、全てのオムロンの新製品が環境配慮製品となります。
当社規定の規制化学物質の使用制限 |
省エネルギー (消費電力、効率など) |
省資源 |
リユース・リサイクル設計 |
環境負荷削減に向け、製品の企画・設計段階において以下を考慮しています。
オムロンの取り組み | |
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原材料・部品の選択 | IEC62430:2009 「電気電子製品の環境配慮設計」に従って手順化した製品アセスメントを実施し、使用する資源(原材料、部品)とその量、含有される化学物質、エネルギー性能を評価しています。 |
生産・製造 | オムロン環境方針に基づいて環境目標を設定し、温室効果ガス排出量の削減、廃棄物の削減、水資源の有効活用、大気・水・土壌汚染の防止に取り組んでいます。 |
流通・保管・輸送 | 個装箱、トレー、スティックなどの容器包装材による環境負荷を考慮しています。梱包のリターナブルなシステムの導入や梱包材の軽量化、梱包方式の変更による緩衝材削減、輸送方法と部品発注ロットの見直しによる梱包材削減などに取り組んでいます。 |
製品の使用、メンテナンス | 新製品開発の基準項目に「社会でのCO2削減効果項目」を含めています。また、環境ビジネスにおいては、パワーコンディショナーや蓄電池によるCO2を排出しない自然エネルギーの創出に取り組んでいます。 |
使用済み製品の管理 | 新製品開発の基準項目に「リユース、リサイクル設計項目」を含めています。各国の法令に沿って資源回収、廃棄できるように、樹脂成型部品、金属部品に原材料名を表示しています。 |
オムロンは、Catena-Xなど国際的なフレームワークと整合したCO2データ算定方法の整備を目指し、「ISO14067:2018」およびWBCSDが主催するPACT発行のCO2データ算定・共有方法論「Pathfinder Framework」を参照し定めたオムロン共通のCFP算定ガイドを、一般社団法人サステナブル経営推進機構の支援の元に策定しました。電子部品事業では、パワーコンディショナーや蓄電システムなど新エネルギー機器向けに提供する高容量パワーリレー「G9KBシリーズ」において、ガイドラインを基にCFPを算出し、2024年5月より算出データを顧客の要望に応じて提供を開始しました。