サステナビリティに関して取締役会長からのメッセージを掲載しています。
オムロンにとってサステナビリティとは、企業理念を実践することに他なりません。つまり、企業理念に基づき持続的な企業価値の向上を図り、地球視点で社会の持続的発展を追求していくという考え方が基本にあります。
社憲「われわれの働きで われわれの生活を向上し よりよい社会をつくりましょう」を1959年に制定して以来、オムロンは、事業を通じて社会におけるさまざまな課題を解決し、社会に貢献してきました。
この社憲がオムロンのミッションであることを明確にするため、2015年5月に企業理念を改定しました。内容もグローバルの社員誰もが理解でき行動できるものとすることで、さらなる企業理念の実践の強化を進めています。
また、オムロンは世界人権宣言、OECD多国籍ガイドライン、ISO26000などサステナビリティに関する国際的な規範やガイドラインを参照し、自社の方針や行動規範(オムロングループサステナブル行動ポリシー、オムロングループ倫理行動ルール)の中に反映しています。2008年には国連が提唱する「人権・労働・環境・腐敗防止」についての普遍的原則である「国連グローバル・コンパクト(UNGC)10原則」の支持を表明しました。さらに、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」を尊重し、人権への負の影響を特定・防止・軽減・是正するための手続きを構築することを通じて企業としての人権尊重の責任を果たすなど、常に国際社会と協調した経営や行動に努めています。
近年の気候変動や人権など人類の持続性に対する危機感が増す中、2015年9月には、「持続可能な開発目標(SDGs)」が国連で採択され、2030年までに解決すべき国際社会の共通目標が定められました。また、気候変動対策の新たな国際ルールであるパリ協定が2016年11月に発効されるなど、地球規模での持続可能性の追求が期待されており、オムロンも2019年2月に気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言に賛同しました。
オムロンは、企業価値の持続的な向上には、このような環境や社会のサステナビリティに関する課題に対して積極的かつ能動的に対応することが必要だと考えています。そこで、2016年度には企業理念の下、サステナビリティ方針を策定し、それを実践していくための仕組みや体制を整備しました。
そして中期経営計画VG2.0がスタートした2017年度から、事業戦略に連動する2020年度に向けたサステナビリティ目標を設定し、その達成に向けて日々取り組んでいます。執行会議※では、その進捗について議論をし、当社の取り組みの進化と社会の変化に合わせて目標を随時更新または追加しています。取締役会はその報告を受け、サステナビリティ重要課題に対する取り組みへの監視・監督機能を発揮し、その進捗や見直しの方向性を確認しています。
これからも持続的な企業価値の向上を目指し、事業を通じたグローバルでの社会的課題の解決をより確実なものにし、ステークホルダーの皆さまの期待に応えていきます。
取締役会長
立石文雄