仕入先様と共に、PDCAの改善マネジメントサイクルを回すことで、サプライチェーン上のサステナビリティのレベルアップに取り組んでいます。
また、重要仕入先様には、オムロンと共にRBA※1行動規範の基準の達成を目指して取り組んでいただいています。
主な活動 | 活動内容 | 管理基準 |
---|---|---|
セルフチェック | サステナブル調達ガイドラインの遵守状況を確認し、改善を実施する | 全仕入先様対象にアンケートを1回以上/3年実施 |
現場アセスメント | 中国・ASIAの取引額上位の仕入先様を対象に50社程度/年実施 | |
第三者基準での評価 | RBA※1行動規範の遵守状況を確認し、改善を実施する | 重要仕入先様対象にRBA Corporate Level SAQ※2でのアンケートを1回/年実施 |
調達BCP | 部品の最新の生産地情報を漏れなく管理する | 全仕入先様の新規部品を調査し、1回/年更新 |
有事に、全部品が一カ月以内に調達を再開できることを目標に、部品毎の調達リスク軽減を行う | ||
グリーン調達 | 有害化学物質を使用せず、サプライチェーンにわたる環境負荷低減に寄与するため、仕入先様の環境経営・規制化学物質管理の実施状況を審査し、グリーン仕入先として認定する | 全仕入先様対象に1回/3年更新 |
責任ある鉱物調達 | 3TG(タンタル、すず、タングステン、金)を含む部材を調査して製錬業者様を特定し、武装勢力の資金源となっている紛争鉱物を使用していた場合は速やかに是正措置を実施する コバルトを含む部材を調査して、環境破壊・人権侵害に加担しない調達を推進する |
1回/年調査実施 |
財務評価 | 仕入先様との安定的な取引継続のために、財務レベルを評価し、必要に応じて改善案を相互で確認・実施する | 1回/年以上実施 |
オムロングループは、毎年グローバルに取引している主要な仕入先の責任者様を対象に購買方針説明会を開催し、オムロンの経営方針・事業戦略・購買方針・サステナブル調達の方針(環境方針含む)等を共有・整合しています。また、合わせて意見交換会を設定することで、仕入先様の意見を購買施策に反映し、より実効性を高めています。
仕入先様110社が参加しました。参加した仕入先様へのアンケート結果では、全ての仕入先様より「オムロンの方針、目指す姿が明確になり共感できた」との回答をいただきました。
説明会では、サステナブル調達の取り組みが順調に進んでいることを提示し、サプライチェーンを通じた持続可能な社会の実現に向けてオムロンと共に引き続き取り組んでいくことを改めてお願いしました。
(※2020年度は新型コロナウィルス感染拡大防止の観点から説明会の開催は中止いたしましたが、日々の仕入先様との対話を通じて取り組みを継続していきます)
オムロングループは、サステナブル調達ガイドラインの実施依頼と合わせて、その実施・遵守状況を仕入先様自身で確認し、改善・レベルアップしていただくため、全仕入先様を対象に少なくとも3年ごとにセルフチェックアンケートを実施しています。対象の仕入先様で100%実施することを目標としています。
2019年度は、日本では666社、中国では472社、アジア・パシフィックでは61社の仕入先様に対してセルフチェックを実施しました。また、中国については、年度計画に基づき17社に対して現場確認を行い、遵守状況を確認しました。
単位:社数
地域 | 2016年度 | 2017年度 | 2018年度 | 2019年度 |
---|---|---|---|---|
日本 | 185 | 0 | 0 | 666 |
中国 | 490 | 425 | 462 | 472 |
アジア・パシフィック | 0 | 0 | 0 | 61 |
米州 | 0 | 0 | 103 | 0 |
欧州 | 0 | 0 | 41 | 0 |
重要仕入先様には、RBA※1の評価ツールRBA Corporate Level SAQ※2を使用しての自主チェック・自主改善を毎年実施いただいています。
2019年度は、重要仕入先様51社で実施いただきました。
査定・監査の結果、サステナビリティリスクが特定された仕入先様には、改善計画の立案を要請し、是正行動を実施いただいております。
2019年度はサステナビリティリスクを特定した仕入先様105社より是正行動計画を提出いただき、是正行動計画に基づく改善活動を実施いただきました。
リスクの種類 | 内容 | 社数 | 改善実施社数 |
---|---|---|---|
経済的リスク | 財務評価で、一次評価が5段階中4または5の評価となった仕入先[二次評価(現地調査)が望まれる仕入先] | 26 | 26 (100%) |
環境・品質リスク | CMS監査で不合格と判定された仕入先 | 60 | 60 (100%) |
PRIMP(ライン品質監査)で不合格となった仕入先 | 19 | 19 (100%) |
|
社会的リスク | なし | 0 | 0 |
オムロングループは、事業を通じた社会貢献として、より良い商品を開発すると共に、有事の際にも社会への供給責任を果たすことが重要だと考えています。供給責任を果たすために「災害は必ず起こる」という基本認識のもと、2011年度より調達BCP※の取り組みを進めています。具体的には、有事においても優先的に供給する商品をお客様と確認し、その商品を構成する部材に対してBCP対策を講じています。
さらに南海トラフなどの大規模災害を想定し、エリアによる発生リスクの観点も含めたリスク対策の取り組みを進めています。
部材が潜在的に持つ調達リスクを3ランクに分けて管理し、全部品において1か月以内に調達を再開できる状態の構築を目標に、在庫保有等の打ち手によってリスクを軽減させる活動に取り組んでいます。2017年度に、最も高いリスクランクの部品はオムロンが在庫を一元的に管理できるよう、在庫管理の仕組みを構築・運用を開始しています。更に2018年度より、早期の安定調達施策として、将来の需給GAPを予兆し、部材選定と在庫確保に取り組んでいます。
昨今の新型コロナウィルス蔓延により多くの仕入先様に影響が生じましたが、管理している部材の生産地情報を基に早期にリスクを把握し、全社の購買部門が参画する対策会議を速やかに立上げ、仕入先様と対応を協議・実行することにより、現時点では大きな供給問題には至っていません。