世界全体では、経済発展や人口増加による水使用量の増加で水リスクが懸念されています。
オムロンの事業特性上、水資源を大量に使用する製品・サービスはありませんが、SF2030の環境目標の一つとして「水資源の有効活用」を掲げ、取水量の削減に取り組んでいます。また、排水時には水質を測定し、環境影響を配慮した事業運営を行っています。
水資源の有効活用に関する年度目標を設定するとともに、各事業拠点の取水量・使用量を種類別に定期的にモニタリング・分析しています。万一、異常値を発見した際には、漏水などの有無を確認して対応策を早急に実施し、水資源の有効活用に取り組んでいます。
2024年度にグローバル全生産拠点での水使用量を2015年度比20%削減※
2014年度からCDP Waterを基準に水資源の把握を進めています。また、2017年度のサステナビリティ課題設定にあわせて、オムロンとして取り組む環境関連社会的課題を設定しました。これに基づき、グローバル全生産拠点での水資源有効活用のための取り組みを進めています。2023年度は生産拠点の削減取り組みにより、グローバル全生産拠点の取水量を2015年度比48%削減しました。
オムロンで使用する水資源の大部分が生活用水です。このため、各事業拠点での節水活動に取り組んでいます。インドネシア事業所では、漏水を検知するセンサーを導入し、漏水が発生した際には、SNSに通知することにより、速やかに対応できる体制を構築しています。また、自動散水システムの導入により、事業所内の庭園への散水量を管理することで、水資源の有効活用に努めています。
また、水源の劣化や枯渇防止、および外部供給水の削減によるコストダウンを実現の観点から、リサイクル水の利用が重要と考えています。生産拠点におけるメッキ工程では、洗浄に純水を使用していますが、この洗浄水のリサイクルを推進しています。
さらに、排水については、法令遵守の観点から、各国の法令に従ってBODやCOD等を定期的に測定するとともに、日本の生産拠点では水質汚濁防止法に従って、水質を測定し、問題が無いことを確認しています。
2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | ||
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日本 | 取水量 | 710 | 622 | 453 | 293 | 296 |
排水量 | 623 | 552 | 384 | 241 | 250 | |
日本以外 | 取水量 | 916 | 760 | 755 | 754 | 704 |
排水量 | 773 | 657 | 663 | 702 | 649 | |
合計 | 取水量 | 1,626 | 1,382 | 1,208 | 1,047 | 1,000 |
排水量 | 1,396 | 1,209 | 1,047 | 943 | 899 | |
売上高原単位(千m3/百万円) | 0.0022 | 0.0020 | 0.0018 | 0.0012 | 0.0012 |
CDP Waterが評価基準として認めているWRI AQUEDUCTとリスクマネジメントコンサルティング会社提供の水リスク分析サービスによって、水リスクにさらされている拠点を把握しています。水リスクの内容としては、水ストレスの高い地域に所在することによる渇水のリスクがあります。
水リスクにさらされている拠点は、中国(大連)、中国(上海2拠点)、インドネシア(Bekasi)の4拠点で、2023年度の取水量は計248千m3です。これはオムロンの2023年度の取水量の25%となります。現在のところ、行政当局からの取水量削減、排水水質向上といった指導、指示はありませんが、自主的に水資源の保護及び事業継続の備えに取り組んでいます。