Omron logo

Stakeholder Engagement ステークホルダー エンゲージメント

お客様との対話

お客様に満足いただけるよう、お客様とのコミュニケーション活動についてご紹介します。

サステナビリティに配慮した商品・サービスの提供
カスタマーサポート
ユーザーモニタリング

サステナビリティに配慮した商品・サービスの提供

お客様からのサステナビリティ要望への対応

グローバル行動規範の遵守

グローバルにビジネスを展開する企業は、自社だけでなくサプライチェーンを含めたサステナビリティ向上の取り組みを強化しており、お客様からオムロングループへの期待も高まっています。電子機器業界においては、グローバルなサステナビリティ基準としてRBAが作成したRBA行動規範の遵守をサプライヤーに求める動きが広がっています。

このような動きの中、オムロングループでは事業部門と本社部門との連携体制で取り組みを進めています。具体的には、RBA行動規範が定める「労働、安全衛生、環境、倫理、管理体制」の5つのカテゴリーにおける基準の遵守状況を確認するため、RBAが提供している調査票を活用したセルフアセスメントを実施しています。

2022年度は、日本、中国、アジアパシフィック、欧州および北米の自社生産拠点24か所においてRBAのSAQ(セルフアセスメント)を活用し、現状調査・評価を実施しました。

今後も、お客様に提供する商品やサービスが、社会や環境問題などサステナビリティに配慮されたものであることをより確かなものにしていく取り組みを継続していきます。

  • Responsible Business Alliance(旧電子業界CSRアライアンス Electronic Industry Citizenship Coalition: EICC)

サステナビリティ第三者評価

オムロンのサステナビリティの全体の取り組みに対する第三者機関からの評価を要望されるお客様が増えてきています。

生産拠点においては、ベトナムと中国の大連でRBAの第三者監査を受けており、要望されているお客様へ評価結果を報告しています。2022年には、中国・大連の生産拠点が最高位のステータスであるプラチナ認証を取得しました。

また、オムロンはEcoVadis社※1(フランス)によるサステナビリティ評価をオムロングループとして受けています。2022年は、評価対象企業上位1%(総合得点が75~100点)内に入る高い評価を獲得し、「プラチナ」に認定されました。この評価結果をご要望されたお客様にはEcoVadisのプラットフォームを通じて情報を共有し、お客様の持続可能性に貢献しています。

さらに、気候変動と水の課題については、CDP※2のサプライチェーン調査を通じて、お客様の環境関連活動にも貢献しています。

  • ※1EcoVadis社: グローバルなクラウドベースのSaaSプラットフォームを介して、包括的な企業の社会的責任(CSR)評価サービスを提供している。
  • ※2CDP: 国際的な環境関連情報開示推進NGO。サプライチェーンプログラムの会員企業は200社以上、調達総額は5.5兆米ドル以上にのぼる。

カスタマーサポート

人と技術で、モノづくりの明日を革新するパートナーの実現を目指す – IAB(制御機器事業)

制御機器・FAシステム事業を展開しているIAB(インダストリアルオートメーションビジネスカンパニー)では、オムロンの幅広い商品群とそれらを繋ぐアプリケーション、そしてサービス・サポートを組み合わせて、お客様のモノづくり革新の実現をお手伝いします。
モノづくり現場では、ロボットやIoTに代表されるような技術進化、人手不足など社会環境が大きく変化する中で、サービス・サポートに対するニーズが高まりつつあります。私たちは、そのニーズにお応えするために、世界各国に拡がる独自のネットワークを活用して、設備設計から導入、保全領域に至るまで、お客様の業務プロセスに合わせた豊富なサービス・サポートを取り揃えています。

クロスボーダーサポート「コンサルテーションデスク」サービスの確立

私たちは、自らもグローバルでモノづくりを行う立場から、海外での自社の製造現場や日常の業務においてお客様と同じ悩みや不安を抱えています。「時差がある」「言語が異なる」「顔が見えない」など、お客様の煩わしさや不安に共感できるからこそ、これらを解消したいと考えました。

そこで、グローバルにビジネスを展開するお客様が現地でのモノづくりに関する課題解決をより速く、スムーズに行えるよう支援するため、2018年4月にオムロンの海外サービス拠点をつなぐサービスネットワークハブ機能として、「コンサルテーションデスク」サービスを立ち上げました。

オムロンには既に世界40か国150拠点以上のネットワークがあり、グローバルでの支援体制は整っていました。しかしながら、これまで国境を越えた地域へのサービス支援依頼は、お客様ご自身で直接現地のオムロン拠点へご連絡をいただくか、オムロンの営業担当者が独自のルートで連絡を取り次ぎ、お客様のご要望にお応えしていました。これをより効率的かつ迅速に行うため、日本、欧州、米州、中華圏、アジアパシフィックの販売本社にグローバルで連携する窓口機能を設置しました。また、依頼を受付後48時間以内に対応することをグローバルの共通目標とするなど、お客様をバックアップするクロスボーダーサポート体制を強化しました。

私たちはモノづくりを支えるスペシャリスト集団として、これからもお客様のグローバル競争力向上のために、日々進化していきます。

世界中のお客様に寄り添うグローバルサービス・サポートネットワークを強化

海外にビジネス展開されるお客様に、いつでもどこでも安心してオムロンの制御機器を使っていただくため、コアとなる約20種類のサービス・サポートを特定し、日本国内はもちろん、世界各地域でのサービスの提供実態を見える化し、最新の情報をお客様にお届けできるようにしました。さらに、ご利用いただくお客様に国をまたがる手続きの違いや不安を感じさせないよう、オムロンの世界中の拠点を相互に繋ぎ合う基盤を整え、お客様に寄り添うための体制強化に取り組んでいます。

日本・中国のコールセンターでのお客様満足度調査

【日本】日本での一般的な顧客サポートセンターの顧客満足度目標値が80%である中で、オムロンは定常的に90%以上という、より高い目標を設定し、顧客満足度向上に日夜取り組んでおり、特に、「繋がりやすさ」、「商品技術提案力」を重視しています。
「繋がりやすさ」においては、一定以上の評価をいただいており、今後も継続していきます。
「商品技術提案力」においては、労働力不足などの社会的課題解決に対するお客様の声を基に、産業用ロボットやアプリケーション型商品のコントローラー、モーション、画像領域のコールセンターでの対応力を更に高めていきます。また、2021年度からはお問い合わせに応じた対応窓口を拡充させ、お客様のご負担を軽減する取り組みを強化しました。引き続き、お問合せにご回答するだけでなく、お客様の状況を踏まえ、更なる改善提案を行うなど、オペレーター全体のレベル向上も更に取り組んでいきます。
また、お客様のニーズ変化に対応し、2020年度に販売店様向けに新たな相談チャネル(チャット対応)を開発し、2022年1月より一般のお客様へ拡大しています。今後は、新たにCES(顧客努力指標)方式の調査を導入し、販売店様及び一般のお客様からフィードバックをいただいた内容を基に改善を実施することで、更なるサービスの拡大と満足度充実に繋げていきます。

【中国】2014年度の調査開始以降、毎年95%以上の満足度を目指し、四半期ごとに顧客満足度を実施し改善活動を実施しています。具体的には、お客様にメールでメッセージを送信し、5段階評価で評価していただくと共に良かった点・改善点について返信頂いています。そのコメントをコールセンター内で共有し、1つ1つの課題点について対応策を検討するなど改善を行っています。今後も引き続きお客様満足向上に取り組んでいきます。

コールセンターの顧客満足度(日本)
  • 顧客満足度: 満足度評価の平均値 〔4段階評価(スコア)の合計 ÷ 満足度調査回答数〕
  • データカバー率は、コールセンター使用のお客様に限らず、全ての日本のお客様に占める満足度調査をお願いした人数の割合で算出しています。(2022年度実績 1.4%)
コールセンターの顧客満足度(中国)
  • 顧客満足度: 満足度評価の平均値 〔5段階評価(スコア)の合計 ÷ 満足度調査回答数〕
  • データカバー率は、コールセンター応答総数に占める満足度調査をお願いした人数の割合で算出しています。(2022年度実績 5.3%)
ウェブサイトにおける情報・サービスを拡充(国内)

お客様がいつでも必要な情報を入手できるよう、製品情報の他、マニュアルやCAD、各種認証書類のダウンロードサービスに加え、生産終了品の推奨代替品の検索機能など、最新の情報とサービスをご提供しています。

お客様の製造現場の課題を解決し、革新していくためのソリューションのご提案

工場の人手不足や熟練工の技術継承など、お客様のモノづくり現場を革新するため、ロボットやIoTを活用したソリューションをご提案するとともに、先進のモノづくり革新を実現されているお客様の導入事例など、情報の充実も進めてまいります。
今後も、さらなる技術進化や革新的なアプリケーションの実現に追従するため、自社工場で鍛え上げたオムロン独自の技術とノウハウ、現場目線の経験値を活かして、新しいサービス・サポートの創出にチャレンジしていきます。

また、ウェブサイトの特性を活かして、時間や場所にとらわれずにいつでもどこでも視聴可能なセミナー動画のアーカイブ配信サービスの提供など、あらゆるお客様の状況に応じて快適にご利用いただけるよう、私たちはお客様と共に進化し続けていきます。

お客様視点でサービス向上に取り組む - HCB(ヘルスケアビジネス事業)

健康医療機器事業を展開しているオムロン ヘルスケア(株)では、グローバルに展開する各拠点ごとにカスタマーサポートに取り組んでいます。

日本では、お客様からのお問い合わせ、付属品のご購入、修理のご依頼を一つの窓口で対応できる「お客様サービスセンター」を設けています。2022年度は約23万件のご利用をいただきました。近年、お客様との接点は従来の電話中心からホームページの問い合わせ窓口やチャットボットなど多様化してきています。中でも、ホームページの「よくあるご質問」は、多くのご利用をいただいています。そのような状況を踏まえ、お客様から多く寄せられる質問を説明内容に反映したり、ホームページ内の導線を分かりやすくするなど、お客様の利便性の向上に注力しています。

コロナ禍が長引く中、血圧や体温に対するお客様の関心は今も高まっています。問い合わせをいただいたお客様には、より丁寧でわかりやすい説明を心がけています。

また、商品やサービスに関するお客様からのご要望やご指摘を企画・開発・生産部門へフィードバックし、よりよい商品・サービスづくりにも積極的に取り組んでいます。

今後もお客様の声に耳を傾け、さらなるお客様満足の向上につなげていきます。

中国のコールセンターでのお客様満足度調査

2013年度の調査開始以降、毎年向上し、2022年度は98.3%という満足度評価をいただきました。

コールセンター顧客満足度(左軸)とデータカバー率(右軸)
  • 顧客満足度 = 満足度調査で満足と評価した数 ÷ 満足度調査回答数
    データカバー率 = 満足度調査をお願いした人数 ÷ コールセンター応答総数

満足度を維持・向上させるために中国のコールセンターでは下記に取り組んでいます。

運用管理強化
  • 昨年度実績と今年度の戦略を踏まえた顧客サービス満足度と応答率の目標設定
  • 日々の状況確認と迅速な対策案の設定
  • 人材確保と教育、サービスマニュアルに従った対応、 対応の評価とフィードバック等の実施
トレーニング強化
  • 新人教育と新製品教育の計画的な実施
  • 月次レベルでのオペレーター試験の実施
  • 社内関連部門(商品企画部門、品質部門、学術部門、法務部門など)と連携した、オムロン理念とポリシーの理解・浸透
品質管理
  • 問合せ・苦情内容の分析・報告
  • 録音電話データベースの構築とレビューの活用
  • スキル指標の設定、優秀なオペレーターの事例共有

オペレーターの安定した対応品質向上に向けた2023年度の強化ポイントは下記です。

  • WeChatサービスシステム(中国のサービスシステム)の活用を強化し、人工回答と自動回答を効果的に融合させる。
  • コールセンターの品質管理会を週次で実施し、品質の維持・向上を図る。

ユーザーモニタリング

お客様の声を、開発につなげる

IAB(制御機器事業)

IAB(インダストリアルオートメーションビジネスカンパニー)では、グローバルでターゲットとするお客様に対して、i-Automation!がお客様の現場革新に繋がっているか/繋がる期待感があるか を測定・評価し、i-Automation! の改善活動に繋げています。

  • 2022年度は調査未実施

上記の結果は、IABがお取り引きをしている食品業界などのお客様の、経営層から現場のエンジニアまで幅広い面談から集計している、オムロンが提案する i-Automation! に対しての評価です。商品開発メンバーが直接お客様へ出向き、また最近ではリモートも活用してお客様からご意見をお聞きしています。評価結果が前年を下回った場合は更に詳しくご意見をいただきます。

そして、その結果を基に、当社内の事業・製品の評価会議において、事業・製品の方向性を確認・修正し、 i-Automation! 提案を見直すなどの改善活動を実施し、お客様からの評価向上に繋げています。改善結果については、お客様に丁寧にフィードバックしています。

HCB(ヘルスケアビジネス事業)

オムロン ヘルスケア(株)では、商品の企画開発段階および発売後にお客様との接点を設け、モニター調査を実施し、商品の利用状況やお客様を取り巻く環境を正しく理解することで、より使いやすく、精度の高い商品を開発しています。

ネブライザは、喘息などの治療薬液を霧化して、気管支や肺に送る医療機器です。小児喘息の場合、保護者が子どもに吸入してあげるケースも多いため、子どもだけでなく保護者の使いやすさも考慮したネブライザを目指し、開発を進めています。

商品デザインでは、ネブライザを利用する際の操作フローを①準備、②吸入、③片付けの3つに分け、実際に吸入する様子をモニタリングすることで、スイッチの押し方や吸入中の動き、使用後のお手入れの様子など、それぞれのフェーズで課題を抽出しました。そして誕生したのが、2021年2月に欧州で発売したコンプレッサー式ネブライザNE-U105です。持ち運びがしやすいように本体にハンドルを兼ねた段差を設け、片手ですぐに操作できる正面へのスイッチ配置、薬液や汚れがふき取りやすい凹凸の少ない本体など、使いやすさにこだわりました。
同様に、本体とチューブでつなぎ薬液を入れ霧化するネブライザキット(以下ネブキット)のユーザビリティも追求しました。従来のネブキットは噴霧性能重視の開発を行ってきました。しかし、ユーザーモニタリングを通じて、現状のネブキットは子供の手には大き過ぎて握りにくいなど、多くの課題があることが分かりました。その現実を目の当たりにし、イタリアにある当社のネブライザ開発・生産拠点の3A Health Care s.r.l. 、欧州の販売拠点であるOmron Healthcare Europe B.V.、そして 日本のチームがプロジェクトを立ち上げ、噴霧性能とユーザビリティが両立した子供にも使いやすいネブキットの開発にチャレンジしました。ネブキットのパーツ点数を減らし、簡単に組み立てられるシンプルな構造にしました。また、子どもでも持ちやすいよう円筒(握る部分)を細身にし、さらに寝ながらでも使えるよう傾けても薬液がこぼれない構造にするなど、細かい配慮をデザインに落とし込みました。

このNE-U105は、当社のネブライザデザインのベースとなっています。医療機器に求められる信頼性と精緻さ、家庭用機器としての優しさのバランスを大切にしたデザインが評価され、「2021年度グッドデザイン賞」と国際的なデザイン賞である「iFデザインアワード」を受賞しました。

オムロンヘルスケアでは、長期ビジョンSF2030「Going for ZERO -予防医療で世界を健康に-」の重点カテゴリーに呼吸器疾患事業を掲げ、「呼吸器疾患の増悪ゼロ」を目指しています。私たちは、世界中で増加する喘息およびCOPD(chronic obstructive pulmonary disease;慢性閉塞性肺疾患)の治療をサポートすることで症状の悪化を防ぎ、患者・家族が発作に悩まされることのない毎日を送ることができる社会の実現に貢献していきます。

PDFファイルをご覧いただくには、Adobe Readerが必要です。Adobe Readerはアドビシステムズ株式会社より無償配布されています。

オムロン株式会社 サステナビリティ推進室, オムロン株式会社 グローバルビジネスプロセス&IT革新本部 IT革新センタ SCMアプリケーション部, オムロン株式会社 グローバルインベスター&ブランドコミュニケーション本部 デジタルコミュニケーション部, オムロン株式会社 グローバルリスクマネジメント・法務本部 リスクマネジメント部, オムロン株式会社 グローバルものづくり革新本部 環境革新センタ, オムロン株式会社 グローバルものづくり革新本部 品質革新センタ, オムロン株式会社 グローバルものづくり革新本部 購買プロセス革新センタ, オムロン株式会社 グローバルものづくり革新本部 購買プロセス革新センタ 購買戦略部, オムロン株式会社 グローバルものづくり革新本部 購買プロセス革新センタ企画グループ, オムロン株式会社 グローバル人財総務本部 企画室, オムロン株式会社 グローバル人財総務本部 企画室 内部統制課, オムロン株式会社 グローバル人財総務本部 内部統制課, オムロン エキスパートリンク株式会社 総務センタ リスクマネジメント部 , オムロン株式会社 グローバル理財本部 経理部, オムロン株式会社 グローバル理財本部 財務部, オムロン株式会社 取締役室, オムロン株式会社 インダストリアルオートメーションビジネスカンパニー 人財戦略室, オムロン株式会社 エレクトロニック&メカニカルコンポーネンツビジネスカンパニー 経営戦略部, オムロン エキスパートリンク株式会社 総務センタ 近畿エリア統括部, オムロンオートモーティブエレクトロニクス株式会社 リスクマネジメント・法務室, オムロンソーシアルソリューションズ株式会社 CSR部, オムロンソーシアルソリューションズ株式会社 品質環境センタ