企業理念の実践事例をグローバルに共有し、価値創造にチャレンジし続ける風土を定着させる取り組みをご紹介します。
中国の糖尿病患者は1.1億人以上で、その患者の多くは腎臓や目の病気などの合併症を抱えています。一方で専門医は2万人余りと不足しており、多くの患者は複数の診療科を受診し時間と費用の負担がかかっていました。こうした患者の負担を減らし、最適な治療を提供するため、オムロン メディカル(北京)有限公司は、専門医、製薬会社、医療IT企業と共に標準化代謝性疾患管理センター(Metabolic Management Center MMC)を立ち上げました。MMCは、IoT、ビッグデータにより病院内の検査・治療データと家庭での計測データを共有できるシステムを構築し、管理プラットフォームを標準化することで中国における均一されたサービスの提供を可能としました。2016年の設立以来、中国28の省や地域で188*の医療機関がMMCに加入しています。
* 2018年2月時点
オムロン オートモーティブ エレクトロニクスメキシコ株式会社(OAX)のあるメキシコ最大の自動車製造拠点であるグアナファト州では、2020年までに雇用が46%増加すると予測されています。そのため人財の争奪戦が起きており、離職率の高さはオムロンのみならず地域産業にとっても大きな課題です。
OAXでは、企業理念に掲げる「人間性の尊重」をヒントに、100人以上の社員に工場内で高校教育を提供するオムロンハイスクールや地域コミュニティのための35のプロジェクトを実行しました。その結果、社員は地域に貢献するオムロンで働くことにモチベーションを感じ、2017年度の離職率は前年比21%減となりました。この施策により、互いを尊重する風土の醸成やイノベーションへのチャレンジ意欲が高まり、顧客や地域社会の信頼獲得につながっています。
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