多様な人財が個性や能力を存分に発揮し活躍できることを目指すダイバーシティ&インクルージョンに関する方針、取り組みについてご紹介します。
基本方針
女性のさらなる活躍
障がい者のさらなる活躍
その他の取り組み
関連データ
オムロングループでは、企業理念の中で「人間性の尊重」を掲げており、様々な価値観や考えを持った多様な人財が個性や能力を存分に発揮し活躍できる組織になることを目指しています。中期経営計画VG2.0においても「ダイバーシティの推進」を人財マネジメントの柱の一つに据えて重点的に取り組んでいます。
多様な人財が企業理念を原点に、志を一つにチャレンジすることで、イノベーションを創造し、事業を通じた社会的課題の解決に取り組んでいます。
このようなVG2.0における取り組みが評価され、経済産業省主催の平成29年度「新・ダイバーシティ経営企業100選」と「なでしこ銘柄」の両方に選定されました。「なでしこ 銘柄」は3年連続で選定されています。
2012年よりダイバーシティ推進の専門部門を設置しています。多様なメンバーが、グローバルでますます活躍できる環境を整えていくために、引き続きダイバーシティを積極的に推進していきます。
オムロングループは、様々な分野で性別を問わず能力ある人財の雇用に努めると共に、その能力を十分に発揮できる環境整備に取り組んでいます。
女性のさらなる活躍機会の拡大に向け、キャリア支援と両立支援の二つの軸を同時に実行していくことで多様なロールモデルを育成しています。キャリア支援では、女性のメンバーを対象とした「女性リーダー研修」の実施、各拠点を主体とする女性交流会・勉強会・講演会などを通じた女性ネットワークの実現・拡大、相互研さんを進めています。両立支援では、「仕事と家庭の両立支援ガイド」の発行、相談窓口の設置、人事処遇制度の改定など、一人ひとりが個性を発揮し、活躍できる環境を働くメンバーと一緒に改善しています。これらの取り組みを加速するため、上司と対話を行い、自律的なキャリア開発を支援する年1回のキャリア開発面接や、社内公募・応募制度など、中長期的にキャリア形成を考え、実現できる仕組みを用意しています。一人ひとりの多様な個性に応じたキャリアプログラムの充実によるキャリア支援と柔軟な働き方の拡大による両立支援の双方を共に整備することにより、多様なメンバーの成長につながっています。また、管理職の人事評価指標に、多様な人財を育成し活躍させるための「組織力強化目標(組織運営/人財育成)」を盛り込み、多様性を活かすマネジメント力を強化していくことで、自律的な自己変革・自己成長を促す意識改革・風土醸成につなげています。
こうした取り組みの結果、女性の職場リーダーは増加しています。2020年4月現在、オムロングループ(国内)における女性役員は、4人(内訳:社外取締役1人、執行役員2人、関係会社取締役社長1人)です。女性管理職(管理職・専門職以上の役職に就いている者)は90人、管理職比率は5.9%です。係長職層は459人、係長比率は8.6%です。
特に、女性管理職人数(国内)は、2012年の取り組み当初は22人でしたが、今では約4倍の90人となり、多様なスタイルのロールモデルが誕生し、意思決定に多様な意見が反映されています。さらに、管理職比率を2021年4月には8%とする目標を掲げ、管理職や女性社員の意識改革、女性の活躍機会の拡大や登用などに継続的に取り組んでいます。
今後も多様なメンバーが活躍できる環境の整備を行い、高い志を持つ社員が当たり前に活躍できる企業風土を醸成していきます。そして、オムロングループで働く女性たちの企業価値向上につながる活動を促進していきます。
女性活躍推進法の施行(2016年4月1日)にあたり、オムロングループ各社の実態にあわせ、女性活躍を進めるための具体的な目標と行動計画を策定し、社内外に公表しました。
この取り組みを通じて、オムロングループで進めてきた女性活躍をさらに加速させると共に、多様な人財が活躍できる意識・風土を醸成し、個人と会社が共に成長する姿を実現していきます。
2019年3月改定
オムロン株式会社 行動計画
女性が活躍できる雇用環境の整備を行うため、次のように行動計画を策定する。
目標1: 2021年3月末までに経営基幹職に占める女性比率を8%以上にする。
<取り組み内容>
2019年4月~
目標2: 誰もがイキイキ活躍できる職場に向けた働き方改革を目指す。
<取り組み内容>
2019年4月~
項目 | 取り組み(代表的なもの) |
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育成・登用 |
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働き方改革 |
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職場風土・継続就業 |
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採用 |
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★ 法定を上回る制度
結婚や配偶者の転勤にともなう転居、妊娠、出産、育児、介護などにより働き続けることが難しくなって退職した元従業員がオムロンでキャリアの再開を希望する場合、優先して選考するものです。選考の受付期間は退職後3年以内とし、正規従業員として雇用します。
オムロングループ(国内)の一部では2005年度から不妊治療休職制度を設けています。これは、年次有給休暇を上回る長期間の休業が必要な、高度な不妊治療を受ける場合に休業(通算365日以内)を認めるものです。また、オムロングループ(国内)従業員の共済会With(ウィズ)では、2005年度から不妊治療への補助金を支給しています。これは、従業員あるいはその配偶者が治療を受けた場合、各市町村からの公的補助との合計金額が治療費を上回らない範囲で、通算20万円/2年以内まで補助するものです。
今後も、「家庭と仕事を両立させるキャリア・プランの実現」という従業員のニーズに応えていきます。
2016年5月より内閣府が支援する「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会」、2017年7月より「京都女性活躍応援男性リーダーの会」に私自身も参画しています。日本における女性活躍推進は、社会的課題の一つであると共に、オムロンが目指すダイバーシティに不可欠なものです。当会の行動宣言である「自ら行動し、発信する」「現状を打破する」「ネットワーキングを進める」は、オムロンが掲げるダイバーシティの推進とも合致します。
今後も、様々な機会を通じて私自身の思いを社内外に発信することで、一人ひとりが自分らしく活躍し、成長できる環境づくりに取り組んでいきます。
オムロンは、1972年に障がい者が働く福祉工場-オムロン太陽(株)を設立し、社会に先駆けて障がい者雇用を推進してきました。以来、障がいのある人が働く喜びと生きがいに満ちあふれた社会をつくるため、事業を通じて、障がいのある人の就労機会の創出と活躍機会の拡大にオムロングループ全社で積極的に取り組んでいます。
オムロングループ(国内)の障がい者雇用率は2019年6月現在で2.8%となっており、260名の障がい者が国内のグループ会社の様々な職場で活躍しています。また、上記の従業員以外にも、オムロン太陽、オムロン京都太陽においては、社会福祉法人太陽の家と連携することで、多くの障がい者に、働く場や実習の場を提供しています。
加えて、海外のグループ会社においても24社で障がい者が活躍しています。
引き続き、オムロングループとして社会的な責任を果たすと共に、多様性をオムロン発展の力として、障がい者の雇用と活躍を推進していきます。
オムロン創業者の立石一真と社会福祉法人太陽の家創設者の中村裕医学博士の理念の共鳴により、1972年に日本で初めて障がい者が働く福祉工場-オムロン太陽(株)を設立しました。その後1985年にはオムロン京都太陽(株)を設立しました。現在2社は特例子会社として、多くの障がい者に働く場を提供しています。
活躍を支援する活動にも力を入れており、障がいのある方へ定期的に面談を実施し、要望を聞きながら、障がいに応じた配慮を行っています。点字ブロックや自動扉、食堂の車イス優先座席の設置などがその一例です。
生産現場においては様々な技術と全員による創意工夫で、障がい者も健常者も共に働きやすい生産環境をつくっています。そして、一人ひとりの能力発揮と自己成長を図ると共に、高品質な商品の提供を実現しています。
また、社外に向けて工場見学を行い、私たちの実践している障がい者雇用のノウハウを広く社会に提供することでも、障がい者の雇用機会の拡大に貢献しています。
上:オムロン太陽で働くメンバー 下:オムロン京都太陽の職場
海外でも障がい者雇用の取り組みを実施しており、海外のオムロングループ24社で障がいのある人々が働いています。
インドネシアの工場では、オムロン太陽を見学したことをきっかけに、障がい者雇用の取り組みを始め、人によって異なる障がいのある人々と共に働ける工場を作るための創意工夫を重ねてきました。この活動はインドネシア社会への貢献につながり、国際労働機関より、障がい者雇用のベストプラクティス賞を受賞しました。
障がい者雇用を行っている海外拠点(2019年度末時点)
ブラジル、イタリア、オランダ、フランス、ドイツ、ポルトガル、スペイン、トルコ、イギリス、南アフリカ、インドネシア、インド、フィリピン、中国、台湾、韓国
オムロングループ(国内)では、出産・育児・介護などライフイベントに伴う様々な環境の変化に対しても、仕事と家庭を両立しながら働き続けられる環境の整備に注力しています。(各種制度は、上記女性活躍推進の取り組み全体像をご参照ください)
介護を担うメンバーへの支援として、「仕事と介護の両立」を実現できる取り組みを実施しています。具体的には、介護支援制度(介護休職・介護短時間勤務)拡充の他、介護に関するセミナーの実施やウェブサイト等を通じた情報発信、相談窓口の設置等を行い、介護の備えと実際に直面した際に両立体制を整えています。また、不安や悩みを軽減できるよう共済会With(ウィズ)とも連携して、2015年度から介護支援に注力しています。
こうした制度の充実によって、オムロンは厚生労働省から子育てサポート企業として2008年に認定を受け、「次世代認定マーク(くるみんマーク)」を取得しました。さらに2015年には、仕事と介護を両立できる職場環境の整備促進に取り組む企業として「トモニンマーク」を取得しました。
育児休職利用者数(開始) | 33人(男性5人、女性28人) |
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育児短時間勤務利用者数(開始) | 41人(男性1人、女性40人) |
育児休職制度の取得後の復職率 | 100% |
育児休職制度の取得後の定着率 | 100% |
多様なメンバーの活躍を目指し、様々な取り組みを進めています。
「誰もが働きやすい職場づくり」に向けた、LGBT(性的マイノリティ)の取り組みを、2016年から本格的に開始しました。LGBTメンバーへの理解と支援に取り組む特定非営利活動法人「虹色ダイバーシティ」の代表・村木真紀氏を講師に迎え、多様性の理解や何をすべきかを考えるセミナーを実施し、LGBTの人たちが抱える問題や悩み、様々な疑問について理解を深めました。
また、2017年3月、オムロンと他企業の人事・採用担当者と関西圏12大学からLGBTサークルなどに所属する学生が集まり、『LGBTフレンドリーな職場づくりのための意見交流会』を開催しました。その交流会の中で、働きやすい職場について意見を交換しました。
2019年3月には、社内規定における家族の定義(配偶者)について、同性パートナーを含むよう変更しました。
こうした活動を通じた学びを活かし、職場での支援方法や制度の見直し等の検討をさらに進めていきます。
このような取り組みが評価され、LGBTに関するダイバーシティ・マネジメントの促進と定着を支援する任意団体work with Prideが主催する表彰制度「PRIDE指標」で、オムロンは2017年から3年連続で「ゴールド」を受賞しました。
※LGBTとは、レズビアン(Lesbian)、ゲイ(Gay)、バイセクシュアル(Bisexual)、トランスジェンダー(Transgender)の頭文字をとった総称です。
日本で働く外国籍社員が働きやすく、個性を活かして活躍できるよう様々な施策を行っています。多言語のコミュニケーション方法や各種文書の多言語表記、社員同士が情報交換できる社内ソーシャルネットワークの整備、交流会の開催など、国籍を問わず社員同士が情報共有できる環境を整備しています。また、宗教や文化による特有の事情については個別にヒアリングを行い、希望に応じた対応を検討しています。引き続き、誰もが活躍できる職場環境づくりに取り組んでいきます。
オムロングループ(国内)では、「定年退職者再雇用制度」を導入しています。この制度は原則、退職者全員が対象で、双方の条件が合えば直接雇用契約を締結し、60歳定年退職以降65歳までの就労の機会を提供するものです。
定年後の再雇用社員についても、定年前と同様、これまで培ってきた能力を最大限に発揮していくことを目的に、2020年度から一人ひとりの役割や成果に応じた処遇を適用する仕組みに変革をしました。この制度変革のために、2019年度は具体的な制度設計および労使での協議を実施いたしました。
加えて、高齢社員に対しては自律的なキャリア形成を支援するために、50歳および55歳を迎える社員に対する「セカンドキャリア研修」を実施しています。定年後を含めたキャリアの方向性を社員一人ひとりが自ら考え、意識変化を起こす機会とするための研修です。ライフプランを設計する上での基本知識を習得し、個々の社員が定年後も見据えて今後のキャリアコース選択の節目を迎えられるよう支援しています。
オムロングループのエリア別従業員数は下記のグラフの構成となっています。
また、オムロングループ(国内)の従業員の雇用状況については、下記のグラフのような状況になっています。
2019年度のオムロングループ(国内)の従業員全体の離職率は3.3%(自己都合退職率は1.8%)でした。平均勤続年数は18.3年(男性:19.0年、女性:15.8年)でした。