グローバルでの安全衛生の管理を強化するための基本方針や推進体制についてご紹介します。
基本方針
推進体制
オムロングループでは、「労働安全と健康」をオムロンが重要と考える人権課題の1つと特定し、オムロン人権方針で明文化しています。人権方針はすべての役員・社員だけでなく、オムロンのサプライヤーや販売代理店を含むビジネスパートナーにも適用されます。
オムロンは、本方針をオムロンのすべての役員・社員に適用します。また、オムロンのサプライヤーや販売代理店を含むビジネスパートナーに対しても、本方針の内容を理解・支持いただくことを期待するとともに、本方針が尊重されるよう、継続して働きかけます。
オムロンは、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」に基づく人権デューディリジェンスを実施し、バリューチェーンにおいて、人権への負の影響を引き起こしたり、助長したりすることを回避することを宣言します。
オムロンは、上記のコミットメントを実現していくために、国際人権章典、労働における基本的原則および権利に関する国際労働機関(ILO)宣言、OECD多国籍ガイドラインなどに定められた人権を尊重します。また、オムロン株式会社は、国連グローバル・コンパクトに署名し、「国連グローバル・コンパクト10原則」を支持しています。オムロンは、事業活動を行う国・地域の法令などを遵守することを基本に上記の人権の原則を尊重します。
5.労働安全と健康
オムロンは、各職場で働く人々がその能力を最大限発揮できるよう、安全で健康的な労働環境の形成に努めます。
また、グローバルで安全衛生の管理を強化するため、「オムロングループサステナブル行動ポリシー」にて労働安全衛生に関する方針を定め、従業員が安全で健康に働ける環境づくりに努めています。
オムロングループは、職場の安全衛生に関する各国・地域の法令や規定を遵守するとともに、社員が安全で健康な労働環境で働く権利および安全でない労働環境を拒否する権利を有することを尊重する。
社員が能力を発揮するためには職場の安全確保と健康な心身が不可欠であることを認識し、あらゆる事業活動において安全・健康に優先的に取り組み、安全で健康な労働環境の形成に努める。 また、災害や事故、テロなどのリスクを想定し、職場の安全衛生に関するリスク管理体制を整える。
(1)安全で快適な職場づくり
私たちは、職場の安全衛生に関する関係法令や社内規定を遵守しなければならない。また、心身ともに安全で快適に仕事ができる職場づくりに取り組む。
(2)事故等への迅速な対応と再発防止
私たちは、職場で災害・事故、感染症、環境汚染等が発生した場合、上司や会社の担当者の指示に従い迅速かつ適正に対応するとともに、会社が行う拡大防止や再発防止の取組みに協力する。
上記ポリシーとルールに基づき、共通のグループ運営ルールを制定し、グローバルで安全衛生管理の強化に取り組んでいます。
グループ運営ルールでは、「ビジョン、推進体制(役割責任)、外部要求事項の把握、危険源の同定、目標設定、計画の策定、労災の記録と報告、教育・訓練、能力評価と伝達、監視と測定、是正の仕組み、マネジメントレビュー、記録と保存、実効性の確保等」の項目を規定しています。これらは、グローバル6地域ごと(日本、韓国、中華圏、アジアパシフィック圏、アメリカ圏、欧州・中近東・アフリカ圏)、さらには各地域に展開する主要なオムロングループ(海外)各社のルールへと落とし込み、現場の隅々まで法令遵守と労災防止を実現できる体制を強化しています。
なお、購買に関してはサステナブル調達ガイドラインを別途制定し、仕入れ先様にその遵守をお願いしています。定期的なセルフチェツク(自己評価)実施により遵守状況の確認を行っています。
オムロンでは、労働協約で、「安全および衛生」に関して下記のとおり取り決めています。
オムロン(株)における「安全および衛生」に関する取り決め(「労働協約」第7章から抜粋)
第59条(安全および衛生)
会社は安全および衛生に関し、組合員の危険防止と保健の為に必要な措置を講じ、作業環境の改善に努める。
組合は安全および衛生に関し意見ある場合は、これを会社に申し出または経営協議会に付議することができる。
第60条(安全衛生委員会)
会社は前条の安全および衛生に関する必要な措置を講ずる目的として、事業場ごとに安全衛生委員会を設置する。
第61条(健康診断)
会社は年1回定期に健康診断を行う。組合員は会社が実施する健康診断を受けなければならない。
第62条(安全衛生教育)
会社は必要に応じ、組合員に安全および衛生に関する教育を行う。
組合員は会社が行う教育を受けなければならない。
日本国内はもとより、全世界の生産、研究、営業拠点において安全、安心、健康な職場の実現に注力しています。
2020年度も引き続きグローバル6地域ごとのルールおよび各地域に展開する主要関係会社のルールに基づき、仕組みの整備や人財の育成を進めました。
また、労働安全衛生に関するガバナンス強化を目的に、環境部門と合同で、外部の安全衛生コンサルタント会社を活用した労働安全衛生法令遵守アセスメントを実施し、遵法状態の確保に努めました。2021年度も引き続き、生産拠点において実施していきます。
なお、生産拠点においては、上記ルールに加えてISO45001の認証取得に必要なレベルの体制整備を進め、2020年度末時点では全生産額比80%以上でISO45001の取得を完了しています。
今後も引き続き整備を進め、ISO45001の要求を満たすレベルの体制整備を目指していきます。
グローバル6地域で法令および安全衛生管理ルールに基づく安全管理・健康管理の階層別教育を実施しています。
2020年度は注力テーマとして、国内総務部門の管理職と、総括安全衛生管理者、安全衛生管理者、安全衛生推進者向けに安全経営のe-learning研修(計71人)を実施しました。
オムロングループでは、安全衛生法令遵守を目的に、生産拠点の安全衛生法規制とその変化を把握する仕組みの強化および対策に取り組んでいます。
2020年度は、日本、米州、欧州、アジアパシフィックの8か所の生産拠点で安全衛生法令遵守に重点をおいた第三者評価(リーガルアセスメント)を計画していましたが、新型コロナ感染対策のため6か所を延期し、日本の2か所の生産拠点で実施しました。アセスメントで確認したリスクについては、計画を立て、是正、改善を行いました。
引き続き、全生産拠点を対象にリーガルアセスメントを実施し、法令遵守はもとより、安全衛生リスクおよびリスクによりもたらされる損失を未然に回避または最小化するために、リスクマネジメントに取り組みます。
オムロングループでは、グローバルで労働災害の発生状況を把握し、休業度数率の低減に取り組んでいます。2020年の休業度数率はグローバルで0.40 でした。国内は、0.26と全国電気機械器具製造業 0.52(国内)を下回る水準でした。
2020年度も死亡事故はありませんでしたが、休業災害はグローバルで24件(うち国内で6件)ありました。それぞれの要因調査を行い、危険な動作や作業の排除、機械設備と管理面の安全対策を実施しました。
また、グローバルな要因分析と対策事例をグループで共有することにより、労働災害の予防に努めています。
災害種別 | 発生状況 | |
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業務上災害 | 休業を伴う傷病者数 | グローバル 24人 (うち日本国内 6人) |
休業日数 | グローバル 486日 (うち日本国内 41日) |
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通勤災害 | 休業を伴う傷病者数 | 日本国内 4人 |
休業日数 | 日本国内 51日 | |
死亡災害 | グローバル 0人 (うち日本国内 0人) |